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INTRODUCTION

60年ぶりに帰郷し親友と楽しい時を過ごすウンシム
蘇る思い出と共に波乱に満ちた人生が明かされていく
互いの“今”を知った時、二人が選んだ道とは──?
世界にたった一つの特別な物語

2024年に韓国で5年ぶりに芸術・独立映画の歴代ヒット記録を更新し、10代から80代という全年齢層の心をつかんだ、かつてない驚くべき映画が、ついに日本にもやって来る。
大都会・ソウルに暮らすウンシムは、60年ぶりに“宝島”と呼ばれる故郷・南海へと帰り、親友のグムスンの元へ身を寄せる。そこでウンシムは、かつて彼女に恋をしていたテホと再会、忘れていた記憶を一つ一つ思い出し、懐かしさに心を躍らせる。だが、ウンシムが長年この地を離れていたのには理由があった。彼女の未来を決定的に変えてしまった16歳の頃の出来事と、波乱に満ちた人生が明かされていく。そして、互いの“今の真実”を知ったウンシムとグムスンは「最後のピクニック」に出かけ、「生まれ変わってもあなたの友達になる」と誓う──。

韓国の国民的俳優が集大成となる演技で問いかける
二人が決めた答えを、あなたはどう思いますか?

ウンシムには、『アイ・キャン・スピーク』で数々の賞を受賞したナ・ムニ。グムスンには、ナ・ムニと実際に長年の友人で、世界的に大ヒットしたTVシリーズ「イカゲーム」にも出演しているキム・ヨンオク。「韓国の母」と讃えられる、往年の二大女優の競演が実現した。テホには、「韓国の優しい祖父」として慕われている『チャンス商会 ~初恋を探して~』のパク・クニョン。

監督は国際的に評価された『ワニ&ジュナ ~揺れる想い~』、『怪談晩餐』などのキム・ヨンギュン。ラブストーリーからヒューマンドラマ、ホラーまで様々なジャンルで才能を発揮している。
オリジナル・サウンドトラックは韓国POP界のトップに立ち、歌手ブランド評価でもBTSを抑えて1位に輝くなど、圧倒的な歌唱力で絶大なる人気を誇るイム・ヨンウン。本作のクライマックスで流れる「Grain of Sand」のMVが、3900万ビューを超えた(2025.6.30時点)ことも話題だ。
哀しみは半分に、喜びは何倍にも大きくしてくれる“友情”の素晴らしさに、観る者の笑顔もはじけ胸が熱くなる。そんな二人が、一緒に行こうと決めた「最後のピクニック」とは? その行方を見届け、二人の選んだ答えに対してどう思ったか、何を感じたか、大切な人たちと語りあってほしい、唯一無二の特別な物語。

STORY

CAST

ナ・ムニ
ウンシム役
1941年生まれ。1961年にMBCラジオで雇用された初の声優の一人としてデビュー。役者一本になって以降、舞台にTVドラマ、映画と様々なジャンルで活躍している。「世界で一番美しい別れ」(96)、『ミス・ギャングスター』(10)、『ハーモニー 心をつなぐ歌』(10)、『怪しい彼女』(14)、『レッスル!』(18)、『正直政治家 チュ・サンスク』(20)などで、あらゆる世代から多大なる人気を集める。なかでも『アイ・キャン・スピーク』(17)は、320万人の観客を動員し、興行成績の上でも成功を収め、第1回ザ・ソウルアワーズで役者歴56年目にして初めて最優秀女優賞に輝く。続いて、第38回青龍映画賞の主演女優賞と人気スター賞、第54回百想芸術大賞の主演女優賞、第55回大鐘賞の女優主演賞を含む、韓国3大映画祭の主演女優賞においてグランドスラムを達成し、合計14もの授賞式で賞を獲得する。
キム・ヨンオク
グムスン役
1938年生まれ。1957年に俳優としてキャリアをスタートし、1961年に文化放送声優劇会に第一期のメンバーとして参加する。100以上ものTVドラマや映画に出演し、世代を超える人気を博す。全米映画俳優組合賞での男優賞(ドラマ部門)、女優賞(ドラマ部門)、アンサンブル賞(ドラマ部門)を含む数々の賞を受賞したTVシリーズ「イカゲーム シーズン1」(21)で、イ・ジョンジェ演じる主人公ギフンの母親役として出演し、国際的にも称賛される。2007年に第44回大鐘賞で女優助演賞にノミネートされる。その他の主な出演作は、『サニー 永遠の仲間たち』(11)、『フィスト・オブ・レジェンド』(13)、『ワーキング・ガール』(15)、『雪道』(17)、『恋愛の抜けたロマンス』(21)、「海街チャチャチャ」(21)、「キング・ザ・ランド」(23)、「ラブ・パッセンジャー ~私たちの恋愛事情~」(23)など。
パク・クニョン
テホ役
1940年生まれ。デビュー以来、映画やTVドラマ、舞台のすべてをカバーすることで素晴らしい作品リストを作り上げている。演技への飽くなき情熱を持ち、70代になってすらもアクションシーンに参加して、すべての役柄において爆発的なエネルギーとエレガントなカリスマ性を披露している。また、エンタテインメント番組「花よりおじいさん」を通して、親しみやすいチャーミングなおじいちゃんとしてフレンドリーな面も見せている。2016年、第20回富川国際ファンタスティック映画祭にて、『グランドファーザー 哀しき復讐』(15)での演技で、コリアン・ファンタスティック部門の最優秀男優賞を受賞。その他の主な出演作は、『探偵ホン・ギルドン 消えた村』(16)、『朝鮮名探偵 鬼<トッケビ>の秘密』(18)、『自転車王 オム・ボクトン』(19)、『無垢なる証人』(19)、『サムジンカンパニー1995』(20)など。

STAFF

キム・ヨンギュン
監督/脚本
ロマンス、ホラー、歴史ドラマを含む様々な分野に取り組み、ジャンルにとらわれない演出で高く評価されている。1991年の『Mother, Your Son』(英題)が大きな反響を呼び、この映画によって独立系映画団体であるIndependent Film Chungnyunが組織されることとなる。1994年には、短編映画『Grand Father』(英題)が、第2回ソウル短編映画祭で最優秀賞を獲得し、アメリカで開催されたアジア太平洋映画祭へと招待される。1996年には、短編映画の『Just Do It』(英題)がDaewoo Pre-production Support Review (Daewooプリプロダクションサポートレビュー)の勝者として選出される。2001年には、自身初の長編作品『ワニ&ジュナ ~揺れる想い~』を監督。今もなお多くのファンを惹きつけているこの作品は、2002年開催のハワイ映画祭と、2003年開催のマール・デル・プラタ国際映画祭に招待される。さらに、2010年には第12回ドーヴィル・アジア映画祭にてアクション・アジア部門賞で最優秀賞を受賞。その他の主な監督作品は、『赤い靴』(05)、『炎のように、蝶のように』(09)、『殺人漫画』(13)、「リセット」(14)、『怪談晩餐』(23)など。
イム・ヨンウン
オリジナル サウンドトラック
1991年生まれ。2016年、シングルアルバム「憎い/夕立」でデビューしたトロット(韓国の演歌)歌手。2020年、サバイバルオーディション番組「明日はミスター・トロット」に出演して優勝し、その歌唱力と表現力が高く評価され、一躍スターダムを駆け上がる。その絶大なる人気の秘密は、トロットはもちろん多彩なサウンドを手掛けていること。2022年にリリースしたフルアルバム『IM HERO』では、トロットの他にバラード、R&B、フォークなどに挑戦、優しく温かみのあるボーカルによって独自の世界を表現している。さらに、2022年には「韓国ギャラップ」という機関が調査した「今年を輝かせた歌手と歌謡ランキング」の40代以上の部門で、BTSら有名アイドルを抑え1位を獲得する。TVドラマ「紳士とお嬢さん」に収録された「愛はいつも逃げる」、「私たちのブルース」の主題歌などを手掛けるが、映画に自作曲で参加するのは本作が初となる。

COMMENT

<順不同・敬称略>
ピクニックは楽しい!
この二人は今回どうだったんやろうか
親友と振り返った日々半分以上はつらかったなぁでも
この海だけは優しく迎えてくれたんだろう。
タイトルに最後の——とあるが、私にはそう思えない。
この二人も年齢を重ね本当に必要なものが何なのか見えてきて、
最期は備えるのやなく、迎え入れあえるものと思うたんとちゃうかなぁ。
どう生きるかを画面から問われたように感じた!
砂の一粒ほどの私でも頑張ろうと思わせてくれる映画やな
綾戸智恵
ジャズシンガー
人生最後の日に、一緒にいたい人は誰ですかー?この言葉は深く心に響きました。そういえば私の母も他界する前、女学校時代の親友の話ばかりしていました。哀しみは半分に、喜びは何倍にも大きくしてくれる“友情”。
私も瀬戸内海が見える街で生まれ育ちましたので、この映画の舞台・南海の美しい景色に、私の故郷の鮮やかな思い出が蘇りました。私も残りの人生をどう生きるか、いかに自然体で自分らしく生きられるか、考えたくなる作品でした。
松本明子
タレント
映画のラストの、そのあとはどうなるのか。二人は自分たちの決意を貫くのか、それとも笑って手をつないで家に帰るのか、わからない。
観た人それぞれに、ラストのあとに続く二人の姿があるのだろう。
この映画が描くのは、たんに老いの問題ではなく、生きることの本質なのだ。だから、若い世代にも自分ごととして響いたからに違いない。
(劇場パンフレットより引用)
角田光代
作家
老いにより突きつけられるままならぬ現実。だからこそ今日のごはんが嬉しく、人との出会いに生かされる…そんな人生の黄昏時が自分事として深く響いてくる快作。
ナ・ムニとキム・ヨンオク演じる老獪な幼馴染同士のやりとりは実に楽しく、笑い合えることが何より至高なことを教えてくれる。
こがけん
芸人
誰の人生にも喜びや波乱はあるけれど、共に受け入れ分かち合える存在の尊さに胸を打たれました。大切な人との時間こそ人生の宝だと教えてくれる映画でした。
太田博久
ジャングルポケット/芸人
思い出に距離はないのかもしれない。昨日のことのように蘇る青春は胸が締めつけられるほど鮮やかだった。だからだろうか、浮かび上がるほど現実に重くのしかかる。
それでも歩みを進める2人は美しかった。ピクニックの最後、振り向いた彼女達には何が見えていたんだろう。まだまだ捨てたもんじゃない世界であってほしい。空気を読まずに言わせてもらうが、僕は家に帰るまでがピクニックだと信じている。
片岡信和
俳優・気象予報士
まだまだ続くであろう人生の悩みや最期について考えさせられる作品でした。故郷での再会や、何十年経っても変わらぬ親友との友情が温かく、思い切って足を踏み出す勇気をくれる素敵な映画でした!
おじゃす
タレント/TikTokクリエイター
何だか心が温まったような、けど儚くて寂しいような、そんな複雑な気持ちになりました。
それと同時に私も何歳になってもこんなに素敵な親友と居れる素敵な人になりたいと思いました。
ぜひ私と同年代の皆さんにも観てもらいたい作品です!
平井桃伽
モデル/俳優
短期間に急速な発展を遂げた「圧縮近代」韓国の一断面を、同郷の幼馴染みで姻戚になった2人の女性の追憶と再会、悲しくもありながら、人間へのリスペクトを忘れない生き様を通して描いた。ナ・ムニ、キム・ヨンオクの2人の名優の演技に注目したい。
木宮正史
東京大学・名誉教授/朝鮮半島地域研究
変わりゆく時代のなかで、思い出と今をつなぐ変わることのない友情は、ついには人生をも越えて永遠へと向かう。

喜びも悲しみも、苦痛さえも美しい一篇の詩のように輝きながら。二人の大女優の演技は、老いることを知らない。
崔盛旭
映画研究者
かけがえのない時間を過ごした友とその記憶を手に、波乱の日々を生き抜いた二人の女性。最後に、大切なものを失わずに済んだ彼女たちは決して不幸ではない。それでも他の選択をできる社会であってほしい。
石津文子
映画評論家
人生の不条理さも、夢見る凡人の哀れさも、“家族の絆”の脆さも、老いと死の絶望も。この映画は現実を何一つとして隠さない。むしろより過酷な未来を首元に突きつける。だがその大荷物をそっと分かち合う彼女たちの姿に、この世界を生きていくための光を見た気がした。
ISO
ライター
『最後のピクニック』は、老年期の女性ふたりの友情をメインテーマとした稀有な映画だ。
生まれ変わってもまた友達になると宣言し、あなたは自分を見守ってくれる天使だと表現し、
そんなふうに衒いなく相手への想いを伝えられる彼女たちの姿が、心底愛おしい。
児玉美月
映画批評家
ここで語られるのは、“未来”の私たちの物語、そして“今”私たちが語らなくてはならない物語
mikoザウルス
韓国映画沼の住人
感情、揺さぶられまくりです。
厳しい現実、問われる尊厳。
人生も老いも、美しいことばかりじゃない。
だからこそ、ピクニックの果てに見た友情の尊さに、胸が熱くなりました。
ゆいちむ
映画好きOL